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記憶色フレア

第1章 告白

「…おバカさんだなぁ、千絵ちゃんは」


信じられない

笑いながら、映司先輩が近寄ってきて…

抱き締められた。


「どうでもいい女の子、普通自分の部屋に入れる?
 彼女いない、なんて話する?」

「え…えと…」

「…俺、千絵のこと好きなんだ」


真面目な声色で、しかも呼び捨てにされてドキッとしてしまう。

体に回された腕に力が入る…


「…千絵は…?」

「え………わ、私…」


抱き締められてるから顔とか見えないけど、
いつもと雰囲気が違う映司先輩に、ドキドキしっ放しで…

あと急展開すぎて頭がついていかない。

映司先輩が…私のこと好き…??? 信じられない…


「俺が彼氏じゃ、嫌…?」

「嫌、じゃないですっ……けど…」

「けど?」

「ほ、本当…ですか…?」

「本気だよ。俺が後輩の女の子にこんな冗談言ってからかうと思う?」

「っ…」


首を横に振ると、頭を撫でながら映司先輩が顔を覗き込んできた。


「千絵ちゃんの気持ち揺さぶって遊ぶなんてできないよ。でもまぁ……いきなりこんな言われても、信じられないよね」

「じ、実感なくて……」

「だよね。俺も学校じゃ隠してたから…
 ミエコが彼女の設定だからね」

「……」


再び映司先輩に抱きしめられる。

少し…いい匂いがする。香水つけてるのかな…?


「でももう、千絵が可愛すぎて…我慢できなくて」


耳元でそんなこと言われて、顔が熱くなる…


「本気でさ…千絵の見た目も、性格も、声も、全部好きなんだ」

「映司先輩…」

「俺のものにしたいって夏頃からずっと思ってた」

「え…夏…!?」

「ふふ そういう反応すごい好き」


少し離れたかと思ったら、おでこにちゅっとキスされて。


「っ……」

「千絵、かわいい」

「んっ」


頬や鼻、耳に次々キスを落としてくる映司先輩…

どうしよう……頭真っ白…。

ちゅっちゅって音が部屋に響いて、されるがままになる…

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