伯爵様と奥様の、愛し愛する性生活
第1章 Ⅰ
「そうだ、そうやって素直に声を出せばいい」
くつくつと笑いを含んだ声が、耳元で囁かれる。
アイリスは低い声から顔を背けた。
(エドガー様、私をからかって楽しんでいらっしゃるんだわ)
こっちはあなたに良い女性として見られたくて必死に我慢しようとしてるのに。
意地悪な旦那様。
アイリスが赤い顔をむくれさせていると、エドガーが少し体を上げて真上から見下ろしてくる。
「アイリス、怒ってるのか? こっちを向いてくれ」
「……嫌です」
「困ったやつだな。あれくらいで機嫌を損ねたのか?」
「旦那様は、私の乙女心なんてちっとも考えてくださらないのですね。意地悪な人」
アイリスは真上で口の端を笑わせている彼を睨む。
エドガーは妻のそんな睨みなどちっともこたえていない様子で、ちゅっ、と口づけをする。
「怒った顔も可愛いな、お前は」
「……っそ、そういうことを言っているんじゃありませっ……ぁっ! ……!」
左胸の先端の蕾に刺激が走り、アイリスはビクッと腰を震わせた。