I・I・NA・RI
第1章 二人の秘密
「はぁっ…。」
丈太郎の家から出た菜乃。
周りを見渡して歩きだす。
「ただいまー。」
菜乃が隣の家へ入る。
此処は比較的新しい郊外のニュータウン。
菜乃と青斗はこの光台ニュータウンの隣人同士である。
「おかえりなさい。」
菜乃の母、あや子が声をかける。
「菜乃、紅茶淹れよっか?」
「ううん、いらない。先に宿題してくるね。」
菜乃はキッチンのあや子に声をかけて階段をかけ上がった。
早く一人になりたかった。
…丈太郎
丈太郎との余韻に浸りたかったのだ。
まだ胸にも唇にも、そして性器にも丈太郎のつけた粘膜の
余韻が残っていた。