I・I・NA・RI
第2章 痴漢にご注意
菜乃は自ら丈太郎がしてくれる行為を待っている自分に
気付いた。
痴漢行為…
菜乃にももちろん経験はある。
ひどい時は半年ほど同じ人に痴漢され続けていた。
その時の記憶が甦った。
それとともに丈太郎を待つ自分にも驚いた。
〈痴漢は嫌だったな…。〉
ーーー朝の電車ーーー
菜乃は光台からバスに乗り、電車へ乗り継ぐ。
その電車で痴漢に狙われていた。
水泳部で鍛えたすらりとした体つき。
制服のスカートから見える長い脚。
程よく引き締まって形良く上がったヒップライン。
贅肉の付いてない背中に細いウエスト。
胸は大きく形の良さが服の上からもわかる。
そして健康的に日焼けした美しい素肌。
若く大人しそうな学生や女性をターゲットにした痴漢には
たまらない獲物だ。
そして菜乃もそんな痴漢達に目を付けられていた。
〈…まただ!〉