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淫乱調教

第2章 体験調教

体験調教の当日、あんなは早くに目を覚ました。小さい頃の遠足の当日に近い感覚だった。待ち合わせは午後からなので時間は、たっぷりとあった。ベッドから出るとコーヒーを淹れて軽く朝食を摂った。

それからシャワーを浴びた。念には念を入れて身体の隅々まで洗った。ヘアーも普段から手入れはしてあるが、しっかりと確認した。

シャワーを終えると、何を着ていくか悩んだ。季節は夏から秋へと変わるところだったが、まだ残暑は厳しく、その日も朝から暑い日だった。

悩んだ挙げ句、下着は薄いピンクでレース地のTバック紐パンの上下セットに身を包んだ。元彼がお気に入りだった下着だ。そして白のキャミソール、黒のミニスカートに白のカーディガンを羽織った。

(気に入ってもらえるかなぁ?)

何度も鏡の前でポーズを取り、メイクもバッチリ決めた。まるで初めてデートする相手と会うような心境だった。そこは、あながち間違ってはいないのだが…

まだ待ち合わせまで時間に余裕はあったが、厚底サンダルを履くと家を出て、駅へと向かった。外に出ると日射しが眩しかった。

待ち合わせ場所の最寄り駅で降りると、まだ待ち合わせまで1時間近くあった。時間的にはランチタイムだが、休日とゆうこともあってどこもいっぱいだった。それに緊張からか、お腹も減っていない。あんなは、駅前のコンビニで涼みながら立ち読みをして時間を潰した。

しばらくして時計を見ると、待ち合わせ時間が近づいてきたのでコンビニを出て、待ち合わせ場所へと向かった。

待ち合わせ場所のカフェも大勢のお客さんで賑わっていた。入口の付近で立って待っていると、駐車場に入ってきた車からS男が降りてくるのが見えた。

「お待たせてしまいましたね。」

爽やかな笑顔でS男が話しかけてきた。白いシャツにベージュのチノパンだった。その白いシャツが日焼けした顔の黒さを一層、引き立てていた。

「いえ、私も着いたばかりですので。それに、まだ時間もありますし。」

LINEで通話したとはいえ、本人を目の前にすると緊張が高まった。笑顔のつもりではいたが、少しひきつっていたかもしれない。

「ふふ、それにしても素敵な格好ですね。調教しがいがありますよ。」

入口付近だったため他のお客さんの出入りも激しかった。小さな声で言われたが、誰かに聞かれたのではないかと思うと身体が熱くなった。




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