テキストサイズ

【new】淋しがり屋のドロップス

第4章 君だけにさりげなく

将来の夢とかないけど、この家のみんなが大好きなので、取り合えず僕は皆を気がすむまで愛して、たまには休息を挟むことにした。
まぁ、現状維持です。
それと、久枝さんにお願いされて僕はイッチャンのお手伝いとして
水曜日と金曜日アルバイトすることになったのだ。
その間、久枝さんが我が家の家事をしてくれるらしい。
どうやら、我が家の双子と日向を叱りつけるのが癖になった様だった。

「あー、だめだ萎れてしまっている。夜空、こっちのお花を交換してきてくれる?」

今日もイッチャンのお手伝い。
あっちゃんの部屋のお花をイッチャンが次いでと言って変えにきた。

「うん、ちょっと行ってくるね、あれ?日向」
「久し振りにイッチャンと話したくて」
「ふぅん、そっちのあーちゃんの部屋でお花を活けてるよ」

「イッチャン久しぶり」
「……どちら様でしたっけ?」
「随分、うちの夜空を手懐けたみたいで?」
「弟がアホで良かったよ。こっちの分が格段にあがったしね。どうも有り難う」
「狐。絶対にアンタなんかに夜空は渡さないから」
「馬鹿狸、誰に物を言ってる。経験もない、テクニックもない、理性もない、動物に尻尾がとれたくらいの奴に夜空が傾くわけがないじゃない。ただ夜空を傷つけただけのくせして」
「もし、夜空に手を出したら、あんたが超浮気魔で手の早い奴だって言いつけてやる」
「ふん、そんな証拠何処にもないじゃな…」
「青空の部屋にたんまりあるから、アンタの写真。こんな危険な写真、山ほどあって、あの夜空がこれを見てどう反応するんだろぅね」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ