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【new】淋しがり屋のドロップス

第4章 君だけにさりげなく

「恋愛は自由ですから、特に何も咎めませんが、夜空に悲しい思いをさせたら例え日向だろうが壱会だろうが容赦しませんよ。」
「は…い」
「まぁ、それは、夜空に限らず壱会が誰かに傷つけられても同じ事ですけど……特に夜空は傷つきやすい子だから、心配です」

どこまで…どこまでこの人は知ってるんだろう。
朝陽は読めない。オレより何枚も上手だ。
あの夜空が倒れた日だって丁度、合宿から家に帰ってきた青に迎えを頼めば良かった筈なのに、それを無視してオレに頼んできたのだ。
信用されてるのかと思いきやさっきみたいに警戒線を引く。

「あーちゃん、おやつあるよぉっ!おれ?イッチャンも終わり?」
「うん」
「じゃ、一緒に食べよう」

満面の笑みを向けて手招きをする夜空。

「有り難う、朝陽」
「さ、行きましょう。」

まるで今日の晴天みたいだったけど、微かに鼻をかすめて梅雨の匂いがした。



つづく?

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