【new】淋しがり屋のドロップス
第1章 過保護注意
外を指差す方を見てみると、下のプールで
中等部の日向のクラスが水泳の授業準備をしていた。
「あんな女子ばっか回りに付けて、ハーレムじゃねぇか。ありゃ、そーとー遊んでんな。
それにあんなムキムキに育って何処がか弱いんだよ。むしろ、オレの方が細いし貧弱だな。言ってて悲しいぜ」
「昔、沢山いじめられたから男の子が苦手なだけ。女の子に優しいなんて紳士じゃん!
それに、上の双子なんて、毎晩、違う女の人と遊んでるんだから、門限通り帰ってくる日向は至って健全です!」
「まぁ、別に彼女がいれば男友達とか日向くんは必要なさそうだもんな。」
「日向に彼女はまだ早い!!!」
「何だよそれ。」
「ってか、日向は来年留学するんだから、そんなの邪魔なだけじゃん!」
「ふぅん、んじゃ、お前はどうするの?」
プールの水面の揺らぎに合わせて反射した日差しが三階まで届く。
ゆらゆらと揺れて、とても綺麗。
「えー?何がぁ?」
「彼女とか作らないわけ?興味無さそうだけど。俺なんて欲しくてたまらんけどね。」
「んー…特にないなぁ、だって出会いだって、奏が居ればもう、十分だし。今は家事で手一杯だしさ」
「お前…どうすんの?日向くんが留学したら。それとも、一人立ちするまでずっと見守る気かよ。お前は日向くんのなんなの?」
「…意地悪だなぁ奏は」
「オレはいやだけどなぁ家族にそこまで干渉されるのなんて。」
「仕方ないじゃん。両親海外なんだから。僕が家の事頑張らなきゃ」
ぼんやりと呟いてユラユラする緩やかな柔らかい光が目に焼き付き、いつの間にか奏の話す内容が途端にどうでも良くなってきてしまった。
将来とか聞くと途端に力が抜けてしまう。
長男みたいに、小説家の才能もないし、双子みたいに、武道をやりたいとも思えない。
日向みたいにビオラやバイオリン、ピアノを引きこなす音楽の取り柄だってない。
特にやりたいことや、目指すものがないんだもの。
両親には悪いけど、大学にだっていきたい場所もないからどこを志望したら良いのかわからない。
「終わってるな」
「放っておいてよ。」
僕だって、できることなら日向
みたいに格好だけでも良くなりたかったよ!奏の馬鹿。生は選べないんだ
中等部の日向のクラスが水泳の授業準備をしていた。
「あんな女子ばっか回りに付けて、ハーレムじゃねぇか。ありゃ、そーとー遊んでんな。
それにあんなムキムキに育って何処がか弱いんだよ。むしろ、オレの方が細いし貧弱だな。言ってて悲しいぜ」
「昔、沢山いじめられたから男の子が苦手なだけ。女の子に優しいなんて紳士じゃん!
それに、上の双子なんて、毎晩、違う女の人と遊んでるんだから、門限通り帰ってくる日向は至って健全です!」
「まぁ、別に彼女がいれば男友達とか日向くんは必要なさそうだもんな。」
「日向に彼女はまだ早い!!!」
「何だよそれ。」
「ってか、日向は来年留学するんだから、そんなの邪魔なだけじゃん!」
「ふぅん、んじゃ、お前はどうするの?」
プールの水面の揺らぎに合わせて反射した日差しが三階まで届く。
ゆらゆらと揺れて、とても綺麗。
「えー?何がぁ?」
「彼女とか作らないわけ?興味無さそうだけど。俺なんて欲しくてたまらんけどね。」
「んー…特にないなぁ、だって出会いだって、奏が居ればもう、十分だし。今は家事で手一杯だしさ」
「お前…どうすんの?日向くんが留学したら。それとも、一人立ちするまでずっと見守る気かよ。お前は日向くんのなんなの?」
「…意地悪だなぁ奏は」
「オレはいやだけどなぁ家族にそこまで干渉されるのなんて。」
「仕方ないじゃん。両親海外なんだから。僕が家の事頑張らなきゃ」
ぼんやりと呟いてユラユラする緩やかな柔らかい光が目に焼き付き、いつの間にか奏の話す内容が途端にどうでも良くなってきてしまった。
将来とか聞くと途端に力が抜けてしまう。
長男みたいに、小説家の才能もないし、双子みたいに、武道をやりたいとも思えない。
日向みたいにビオラやバイオリン、ピアノを引きこなす音楽の取り柄だってない。
特にやりたいことや、目指すものがないんだもの。
両親には悪いけど、大学にだっていきたい場所もないからどこを志望したら良いのかわからない。
「終わってるな」
「放っておいてよ。」
僕だって、できることなら日向
みたいに格好だけでも良くなりたかったよ!奏の馬鹿。生は選べないんだ