無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

マンションの一室の前で、なのかは深呼吸をすると、インターホンを鳴らした。
「はい」
「どうぞ、入って」
笑顔で、なのかを部屋の中に招き入れた。
奥に進むと、部屋の中は絵の道具がいっぱいで、いかにも画家のアトリエという感じだった。
西寺社長は町外れのマンションの一室をアトリエとして使っていた。

西寺はなのかを部屋に招き入れた。
「素敵なアトリエですね」
「今日は来てくれてありがとう。モデルがなかなか見つからなくて、苦労してたんだ」
「わたしなんかで、お役に立てるかどうか……」
「いやいや、……まあ、とにかく、始めようか」

「あんまり緊張しないで、リラックスしてて」
「は、はい」
スケッチブックに鉛筆を走らせはじめた。


なのかがモデルとしてアトリエにモデルとして行き描き上がるまでに何回かかかった。背景は決まっていたし、何枚かのスケッチを描いていた。モデルをそこへどのように配置するかということをなのか　のいろいろなポーズから考えた。
　


　「これまでに人物を何枚か描いてきたが、これほどうまくいったと思ったことはないよ」
西寺は満足そうに言った。
「ありがとうございます」
「どの絵もそうだが、知らず知らずのうちに、よりいいものをという思いが強くなってきたからね」
「そうですか」
「よし　これを齋藤夫人に届けよう」