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魅せられて

第1章 依頼

なのかをモデルにした絵が出来上がった。
湖を背景に、白いブラウスのなのかが立っている。
 
「素晴らしいじゃないですか」
齋藤夫人が言った。
「そう言っていただければ……」
西寺社長が満足げに頷く。
「モデルの女性がいいのかしらね」
なのかが微笑む。



なのかの絵は社長室に飾られた。
社長室にある絵は、西寺のこれまでの人物画では最高の出来映えのように扱われた。
「本当 素敵ね なのかさんよくやったわ」
齋藤夫人は満足そうに頷いた。
「モデルは、あれからやってない?」
「ええ」
「話はない? 西寺社長から話は無い?」
「お仕事が忙しいみたいで」
なのかは答えた。
「西寺物産は我が社の大切な取引先
今度モデル依頼があったらまたうけてね」
「え まだモデルは続くんですか」
「先方が貴女の事気に入ってね また会いたいって」
あれが最期だと思っていった なのかはめんくらった
「わかりました」
そう答えて下がった。

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