テキストサイズ

魅せられて

第1章 依頼

アトリエに齋藤夫人がやって来た。
その乱雑さに目を奪われた。
「齋藤さん……早いですね」
西寺社長が言った。
「お久しぶり」
「ようこそ 私のアトリエへ」
「なのかちゃんのことなんですが」
齋藤夫人は切り出した。
「はい 裸婦モデルを頼んでるのでるんですが」
「私も聞きました 悩んでるみたいで」
齋藤夫人はにこやかに言う。
「そりゃそうでしょう」
西寺はかわいらしくて、清楚なお嬢様がヌードを披露することは、たいへん勇気がいることと思ったが、
齋藤夫人はそうでもないと思っているようだった。
「モデルをするのは なのかちゃんにとってもよい思い出だと思います。一生の宝物になると思います。」
「そうですね もう一度頼んでみます」
「なのかちゃんでよろしければ決意のヌードをぜひ描いてやってください。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ