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魅せられて

第1章 依頼

なのかは西寺とランチをしていた。
西寺はデッサンの話をした。
「作品は書き手とモデルの共同作業だからデッサンや美術を理解して欲しい。」
「共同作業ですか」
「ポーズは君に任せるから」
「ポーズはわかりません」
「君も美術を勉強してポーズを考えて欲しい」
美術モデルのポーズは立ちポーズ」「座りポーズ」「寝たポーズ」などだった。
それを見ながら
なのか はもうはっきり覚悟ができていた。
いろいろと悩んで回り道をした気がした。
「私は、ただ裸でいればいいんですね?」
「そう。大げさに考えないで、ありのままの自然な姿でいてくれればいい」
「で西寺さんはただ描くだけですね」
「そう。」
「わかりました 私はこのモデルを引き受けます」
「そうですか ありがとう 小板橋さん」
嬉しそうに西寺は頷いた。

最初はなのかもヌードになることに抵抗があった。恋人なら兎も角ましてや他人に見せるなど考えも及ばぬことだった。しかし頑張ろう なのかは自分に言い聞かせた時、ふっと気分が落ち着いてきた。

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