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魅せられて

第1章 依頼

小板橋なのかを初めてヌードのモデルとして描く日だった。フリルの入ったブラウスに、チェック柄のひざ丈くらいのフレアスカートを履いていた。
準備をしている西寺とモデル台を見て やだとつぶやいた。
「やだ……って、何で」
「そのモデル台の上で裸になってじっと見られるのかと」
 思わず西寺は笑った。
「当たり前だよ。しっかり見なきゃ」
「それはそうだけれども、西寺さんは裸じゃなくて、私だけがそうだから」
「だから恥ずかしいというわけか」
「ここで服を脱いでモデル台に立てばいいんですね」
「頼むよ 準備しておくから」
西寺はイーゼルを動かし始めた。
それを見ながらなのかは服を脱ぎ始める。
スカートのファスナーを下ろし、ストンとスカートを床に落とした。ブラウスに丈が短いので、パンツが丸見えになった。
ブラウスのボタンをはずしていく。
ブラとパンツだけの姿になると、恥ずかしさのあまり動けなくなってしまった。
「大丈夫?」
西寺は聞いた。
なのか はこくりと頷いた。
「恥ずかしいか?」
「いえ、そんなことないです。もう、そんなことないです。でも見ないで」

白いブラジャーとパンティーだけを身につけた なのかは、 アトリエを見渡した。
軽く視線を上の方へそらしてから、手を後ろにもっていき ブラジャーのホックをはずし
両方の肩紐を抜き取り、
上半身を隠さず、一瞬、ためらう様に見えたが、一気に下着をおろした。
全裸のままイーゼルの間を通り抜けると、黙って下着を西寺の方に差し出す。西寺はそれをしっかりと受け取った。

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