それはインキュバスが教えてくれた。
第3章 ロミオの身体
「ああ、ごめんなさい。ごめんなさい」
わたしはロミオに何度も謝った。
「僕もごめん。きみに大きな声を出してしまったね。お詫びに僕も……」
ロミオの唇にわたしの唇が塞がれる。彼の舌がクルクルと私の舌に絡みつく。
「ああ、ん……」
泡立つロミオの唾液を喉を鳴らして飲み干す。
お腹を熱い何かが押す。
それを確かめようと、そこに手を伸ばす。
ドックンドックンと息づくそれが、グンと背伸びした。
男の子の大きくなったモノが、わたしのお腹をグイっと押していた。
「えっ、何で……?」
「ここは男も女もない、って言ったよね?」
「わたしをどうするつもりなの?」
バサバサとロミオの背中から空気をかくような羽根の音が聞こえた。長い髭のある馬のような顔、蛇のように鱗に覆われたその身体の背中にあるコウモリのような大きな羽根を羽ばたかせた。ドラゴンになったロミオがゴウゴウ風を起こしてわたしの周りをグルグルと回り始める。
「僕の子孫を残したい。僕らは子孫が残せないんだ」
きらびやかなその部屋は暗黒のように変わって上も下もない世界に変わっていた。稲妻がガラス細工にヒビが入ってゆくように、爆音を上げながら、四方八方に広がる。焼けるような、赤く染まった空間がわたしの周りをグルグルと回る。
わたしはロミオに何度も謝った。
「僕もごめん。きみに大きな声を出してしまったね。お詫びに僕も……」
ロミオの唇にわたしの唇が塞がれる。彼の舌がクルクルと私の舌に絡みつく。
「ああ、ん……」
泡立つロミオの唾液を喉を鳴らして飲み干す。
お腹を熱い何かが押す。
それを確かめようと、そこに手を伸ばす。
ドックンドックンと息づくそれが、グンと背伸びした。
男の子の大きくなったモノが、わたしのお腹をグイっと押していた。
「えっ、何で……?」
「ここは男も女もない、って言ったよね?」
「わたしをどうするつもりなの?」
バサバサとロミオの背中から空気をかくような羽根の音が聞こえた。長い髭のある馬のような顔、蛇のように鱗に覆われたその身体の背中にあるコウモリのような大きな羽根を羽ばたかせた。ドラゴンになったロミオがゴウゴウ風を起こしてわたしの周りをグルグルと回り始める。
「僕の子孫を残したい。僕らは子孫が残せないんだ」
きらびやかなその部屋は暗黒のように変わって上も下もない世界に変わっていた。稲妻がガラス細工にヒビが入ってゆくように、爆音を上げながら、四方八方に広がる。焼けるような、赤く染まった空間がわたしの周りをグルグルと回る。