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僕はアノ音を聞いてしまった。

第3章 リビングルーム

 悶々としていた。
 
 淳也の脳裏にまだ残っていた。マサミの妖しく膨らむ花の蕾と、手洗いの扉の越しに耳にしたシャーという音を……。
 
 淳也は、ジャージ下の腰ゴムからの中に手を滑り込ませた。パンツの生地の上からゴツゴツしたレリーフのようになった部分を確かめるように指を沿わせる。
 
 八畳間ほどのリビングルームの空気が青い匂いになった。

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