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僕はアノ音を聞いてしまった。

第5章 ライチのように

 
「気になる?」
 
 マサミの絡みついた指がペニスを搾るように強く握り上下にスライドした。叔母の手のひらの中で痛いほどに成長した淳也を再び含む。
 
 淳也の手がハエを払うように動く。下腹を滑り上がる叔母の片方の手のひらがゾワゾワと円を描くのが気になって……。
 
「えっ、何が……?」
 
 マサミに心が読まれているようだった。
 
「恭子……っと、野田《のだ》恭子ちゃん……」
 
 ――野田恭子……。どこかで聞いた事があるような。
 
 淳也の目の端に透明な肌の恭子の手脚が蠢いている。
 
「恭子ちゃんは知ってるそうよ。淳也くんの事……」
 
 ――野田恭子って、もしかしてノダキョーのこと?

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