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僕はアノ音を聞いてしまった。

第6章 野田恭子

「ああ……」
 
 淳也は海老のように身体を屈めて腰を引いた。
 
 柔らかく冷たい感じが股間にあった。
 
「まだツルツルなのね、チビ淳のここ……」と、恭子が呟きながら淳也の下腹を撫でる。
 
 今度は恭子の指を一本いっぽんを感じていた。淳也のペニスに少し汗ばんだ彼女の手のひらに張り付く。柔らかい恭子の手のひらの中で芯が入ったペニスがグンと背伸びをした。皮が引き攣れて先端に痛みを感じた。
 
「チビ淳のオチンチンって固いね。なんで?」と、言い淳也を掴む恭子の指が先端から根元へスライドし、根元から先端へと滑り上がる。
 
 驚いた。恥ずかしかった。小学生の淳也にとってペニスが大きくなる時は、一日で朝起きてからトイレで用を足すまでの間だけだった。
 
 ――えっ……?
 
 恭子に手を取られた。恭子の胸に誘導される。手のひらに納まる程の膨らみに触れた。柔らかいその膨らみは彼女の脈と呼吸のたびに波打っていた。胸のタオルがはらりと開《はだ》ける。ゴロンとした固いグミのようなその頂上を掴む。

「んっ……」と、恭子は鼻にかかった声を洩らした。
 
「ごめんなさい。痛くしちゃって……」
 
 淳也は恭子の胸を触れる手を慌て放した。
 
「こっちも……ねえ?」
 
 恭子の呼吸だけの声がねだる。淳也の手首を取られスーッと恭子の下腹の方に誘導される。

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