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僕はアノ音を聞いてしまった。

第7章 夏休みの終わりに

 淳也が子供の頃、泣きながら裸足で歩く恭子を見かけたことがあることを。

 
 夏休み最後の日、マサミと淳也は向かい合って朝食を食べていた。
 
「淳也くん……」
 
 マサミが淳也を静かに呼ぶ。
 
「えっ……?」
 
「恭子ちゃんを抱いてあげて欲しいの」
 
「えっ、だけど……」
 
「彼女、男の子をまだ知らないわ」
 
「だけど、僕も……」
 
 淳也もまた女性を知らなかった。つまり、童貞だ。
 
「……分かるわ。私がサポートするから、ね? そして、卒業させてあげたいの、私から……」

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