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僕はアノ音を聞いてしまった。

第7章 夏休みの終わりに

 恭子は、いつも通り午後ニ時過ぎに訪れた。
 
「こ、こんにちは……」と言う淳也に、恭子は小さく頭を下げる。
 
 恭子もマサミから話を耳にしていたのか、部屋に入るとすぐに全裸になった。彼女に微塵も迷いがないように見えた。
 
 恭子のスカートとブラウスガラスがサラサラと床に落ちる音を背にして、淳也も全裸になってゆく。
 
 二人はベッドサイドに腰掛ける。その身体を隠す事も、お互いを見ることもない。
 
「ねえ、ノダキョー、あの時の続きしよう」
 
「あの時……?」
 
 恭子の視線の先には着衣姿のマサミがいる。
 
「僕が小五のときの……お医者さんごっこ……」
 
「ああ、あの事……」
 
 恭子の目が床に落ちる。
 
「僕も子供だったから、ノダキョーとセックスした。……なんて思ってたけど……。それで赤ちゃんができるとしたら、……僕、ノダキョーとの赤ちゃんならいいかなって……ずっと思ってるんだ」
 
「……………………バカね。チビ淳、……あなたって、あの時とちっとも変わらないね……」
 
 恭子が淳也に抱きつく。
 
「……ねえ、チビ淳、……あの時の……、お医者さんごっこの続きやろうか……」
 
 二人はベッドのシーツに包まった。

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