テキストサイズ

僕はアノ音を聞いてしまった。

第7章 夏休みの終わりに

「じゃあ、……チュー……するね」
 
 恭子が息を飲むようにいったあと、その柔らかい唇が淳也の唇に重なる。それは昔のスタンプを押すようなそれではない、小鳥が餌を啄むようなキスだ。小さく出したピンク色の舌を淳也の口腔に入れ、彼の舌先を探る。唾液を送る。
 
「んっ……んんっ、ノダキョー……んんっ……」
 
 淳也の舌も恭子を探り、トロトロと泡立つ唾液を彼女の口腔に送り返した。
 
 んぐっ、んぐっ……。二人の喉の音がシーツの中に籠もっている。
 
「チビ淳……触ってもいい?」
 
「うん……」
 
 恭子の冷たい指先が淳也にふれる。淳也に沿って指を這わせる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ