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　朝、部屋をノックする音で目が覚めた。
「かのんちゃん。起きて。ご飯よ」張本さんの声だった。
眠い目をこすり起きあがると淡いピンク色のパジャマを着た僕がいた。
「ああ、夢じゃなかった」

　着替えた僕は、張本さんに案内され食堂のテーブルに腰掛ける。
すでに数人の子供たちがテーブルに就いて座っている。
普段朝食をまともに食べた事がない。温かいご飯とおかずが目の前に並ぶ光景は、テレビの中だけしか見たことがない。
張本さんが席につくと両手を合わせ
「いただきます」の掛け声。
みんなそれに合わせて、
「いただきます」と手を合わせ食事を取り始める。
学校の給食を食べる時のイメージだった。それも最近してない。学校自体にほとんど行かなかったからだ。