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インターセックス

第2章 性差別の始まり

ギャンブルに溺れた父により母が殴られた日々の事や食事もままならず空腹で過ごし、このまま死んでしまうのかと恐怖に駆られた闇夜の事。
学校での虐めもゴミのような存在の自分が悪いと思い込んでいた事など。
何時間話したろうか。僕は、悲しみで脳が溶け出してしまうのかと思うくらい鼻水と涙が出た。
ティッシュがなくなりゴミ箱も一杯になるほど泣いた。僕は、もう限界だった体中の水分が抜けてもう涙も出てこない。
頭痛と横隔膜の痙攣に襲われ頭がボーッとしてきた。きっと、鼻水に混ざって脳が溶け出してしまったと思ったのだ。
山崎さんは、一緒に泣いてくれている。張本さんも目頭を抑えている。
脇でメモを取っていた山村さんも疲れ果てている。

 気がつくと僕は、部屋の布団の中にいた。もう周りは、真っ暗だった。
いつの間にか眠ってしまっていたのだった。後から聞いた話だが疲れ果てた僕が談話室で突っ伏すように寝てしまったらしい。
張本さんが僕を抱えてそのまま部屋で寝かせたという事だ。

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