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インターセックス

第2章 性差別の始まり

できるだけ他の子供に知られないようにひっそりと8時以降に入浴している。
勉強も終わり春香が部屋に戻って行く。
 8時を過ぎいつものようにひっそりとお風呂に入った。
広いお風呂に足をいっぱい伸ばして入る開放感は、なんとも言えず幸せを感じる瞬間だ。
「あー、幸せ!」そうつぶやいて居た時だった事件が起きたのは。
「夏音ちゃん。入るね」突然、浴室の扉を開けてあらわな姿の春香が入ってくる。
「あー」驚きで言葉が出てこない。
湯船の中で慌てて股間を隠す。
春香は、前も隠さず入ってくる。胸も膨らみ股間には、薄っすらと茂みも見える。
かけ湯をして湯船に入ってくる。
「あー気持ちいい。私お風呂大好き」
「そうね、僕も」僕の心臓は、バクバクしている。
「ねー夏音ちゃんて自分のこと僕って言うの癖なの?」
「あー僕、ぼくね、癖。だめだよね女子が僕って言っちゃ。変だよね」
やばい、バレるのか。
「いいんじゃない。夏音ちゃん。たまにそう言う子いるよ」
「そう? 『私』って何だか照れくさくって。でも言うね私」
「夏音ちゃんてどうしてここに入ってきたの?」
やばい、質問攻めかよ。何とか早くここを出たい。
「私? そうね、親父が行方不明で」
「お母さんは?」
「いない」
「ふーん。孤独なのね」
「そうね。孤独。春香ちゃんは、どうしてここに」
「わたしー、本当は、父がお医者様でお母さんが外交官でいつも海外にいるの」
うそつけ、父親が医者で母親が外交官でどうしてここに居る。
「すごいわー、お父さんお医者様ってお金持ちなんでしょ」
テキトーにあわせてやってる。
「でもね、お金は、あるんだけど忙しすぎてなかなか家に帰ってこないのよ」
やばい、もうのぼせてきた。もう上がろう。
「そうか。それも寂しいね。じゃあ、上がるね」
「えぇ、もう上がるの。これからじゃん。話盛り上がるの」
「ごめん、また後で。あっち向いててくれる」
「どうして?」
「恥ずかしいじゃん」
「変なの」
春香が顔をそむけた時、股間を隠し湯船を出た。その時だ、春香の視線が僕の股間に行っている。
「あー、何かついてる!」春香が大声で股間を指差す。
思わず僕は、駆け出すように風呂場を後にした。

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