インターセックス
第3章 新しい家族
僕は、流れていくランドセルを取りに川へ入って行った。
流れは、緩やかだが腰のあたりまで水に浸かっても届かない。
「待ちなさい。私が取ってあげるから」
その女性が僕のランドセルを取ってくれた。
河原にあがり嵐が通り過ぎたことに安堵した。
「ありがとう、オカマさん」
「やだ、やめてよ。あんたまで『オカマ』って言うわけ」
「ごめんなさい」
「ずぶぬれね。私の家すぐそこだから乾かしていきな」
「ありがとう」
河原から歩いて5分位の所だった。真新しい2階建ての住宅だった。
玄関先でバスタオルを渡され脱衣所まで通される。タオルを腰に回して濡れたスカートを脱いで渡す。
「ああ、パンツも脱ぎな。代わりのパンツ渡すから。大丈夫よ見ないから」
大きめの白いシャツに着替えリビングに通されるとそこは、絨毯が敷き詰められソファーとテーブルが置かれている。
ソファーに座っていると着替えた女性が紅茶を持ってきて合い向かいに座る。
「私、川谷 加奈子。よろしくね」
「僕、立花夏音」
「かのんちゃん、かわいい名前ね」
「お母さんが…… 死んだお母さんが付けてくれた名前です」
「お母さん、死んじゃったの?」
「最近まで死んだって知らなかったんです」
「何か事情がありそうね。よかったら力になってあげるから話してご覧」
誰も信じられなくなっていたがこの人なら『きっと解ってくれる』そう直感した。
その時、玄関からチャイムの音がした。
「ただいま」
グレーのスーツを着た男性が入ってきた。
「あれ、お客さん」僕を見て足を止める。
「おじゃましてます」僕は、立ち上がって軽く会釈する。
「これ、私の旦那」
「川谷義文です」
「あーこの子、そこの川原でいじめられてたのよ。びしょびしょに濡れっちゃって。可愛そうだから、ここで乾かしなって」
「そーなの、大変だったねゆっくりしていって」
「あのね、この子、少し訳ありみたいなの。貴方もちょっと一緒に聞いてくれる」
「僕が? いいけど」加奈子の横に腰掛ける。
「どうしたの、何かあったの?」
「この子、男の子なのよ」
「ああ、そうなの。でも可愛い顔してるね。女の子みたい」
「それがさーそれでいじめられたみたいで。スカート履いてて」
「あのー僕、ちょっと違うんです」
流れは、緩やかだが腰のあたりまで水に浸かっても届かない。
「待ちなさい。私が取ってあげるから」
その女性が僕のランドセルを取ってくれた。
河原にあがり嵐が通り過ぎたことに安堵した。
「ありがとう、オカマさん」
「やだ、やめてよ。あんたまで『オカマ』って言うわけ」
「ごめんなさい」
「ずぶぬれね。私の家すぐそこだから乾かしていきな」
「ありがとう」
河原から歩いて5分位の所だった。真新しい2階建ての住宅だった。
玄関先でバスタオルを渡され脱衣所まで通される。タオルを腰に回して濡れたスカートを脱いで渡す。
「ああ、パンツも脱ぎな。代わりのパンツ渡すから。大丈夫よ見ないから」
大きめの白いシャツに着替えリビングに通されるとそこは、絨毯が敷き詰められソファーとテーブルが置かれている。
ソファーに座っていると着替えた女性が紅茶を持ってきて合い向かいに座る。
「私、川谷 加奈子。よろしくね」
「僕、立花夏音」
「かのんちゃん、かわいい名前ね」
「お母さんが…… 死んだお母さんが付けてくれた名前です」
「お母さん、死んじゃったの?」
「最近まで死んだって知らなかったんです」
「何か事情がありそうね。よかったら力になってあげるから話してご覧」
誰も信じられなくなっていたがこの人なら『きっと解ってくれる』そう直感した。
その時、玄関からチャイムの音がした。
「ただいま」
グレーのスーツを着た男性が入ってきた。
「あれ、お客さん」僕を見て足を止める。
「おじゃましてます」僕は、立ち上がって軽く会釈する。
「これ、私の旦那」
「川谷義文です」
「あーこの子、そこの川原でいじめられてたのよ。びしょびしょに濡れっちゃって。可愛そうだから、ここで乾かしなって」
「そーなの、大変だったねゆっくりしていって」
「あのね、この子、少し訳ありみたいなの。貴方もちょっと一緒に聞いてくれる」
「僕が? いいけど」加奈子の横に腰掛ける。
「どうしたの、何かあったの?」
「この子、男の子なのよ」
「ああ、そうなの。でも可愛い顔してるね。女の子みたい」
「それがさーそれでいじめられたみたいで。スカート履いてて」
「あのー僕、ちょっと違うんです」