インターセックス
第1章 性転の霹靂
翌日は、よく晴れてカーテンの隙間から日が差し込んでいた。その明かりで布団の上に座り、いつもの漫画を眺めていた時、階段を登る靴音が部屋の前で止まった。強く叩くドアのノック音。強いノックに驚いた僕は、昨日来た山崎涼子では、無いことを直感した。
「おい、立花! 俺だ、いねーのかよ」
ドアの前には、黒の上下に開襟シャツの竜崎健也が立っている。
竜崎は、父の兄貴分のような存在だ。父を連れ出しては、何か仕事をさせている。
「立花! いねーのかよ。開けるぞ」
ドア横にある郵便ポストを開けて鍵を取り出す。いつもそこに鍵が置いてあることを知っているのだった。
布団をかぶって息を潜めているとドアが開き竜崎が入ってきた。
ドアを開けて玄関に入るとあたりを見回して、
「相変わらず、きったねー部屋だな」
竜崎は、靴を脱いで僕の布団まで歩み寄り勢いよく布団をはがしてきた。
敷布団の上で膝を抱えて丸くなった僕を見て。
「おい! 夏音。オヤジどこ行った」
上目遣いで竜崎を見て首を横に振る僕。
「だろうな、オヤジもうここには、帰ってこねーぞ」
僕の心に不安がよぎる。
「あいつ、組の金を使い込んだんだ。見つかったらタダじゃ済まない」
僕は、父が帰らない理由がわかったと同時に本当に餓死するかも知れないと言う不安がよぎる。俯く僕のお腹が「グー」と言う音を鳴らす。
「何だ。腹減ったのか。何日食ってねーんだ」
言葉を発する気力も湧かない僕は、右手指を3本立てる。
昨晩食べたカボチャの事は、言いそびれた。
「しょーがねーな。おい! 飯食いに行くぞ。着替えろ」
着替えろって言われても着替えがない。
「服、無い」
「えー、お前、その服ボロボロじゃねーかよ。まあいいや。行くぞ」
竜崎に従うように後をついて部屋を出ると、その様子を伺うように隣の部屋のドアが半開きになり芳江が顔を半分覗かせて様子を見ている。階段を下りて行く僕たちをじっと見ている。
「おい、立花! 俺だ、いねーのかよ」
ドアの前には、黒の上下に開襟シャツの竜崎健也が立っている。
竜崎は、父の兄貴分のような存在だ。父を連れ出しては、何か仕事をさせている。
「立花! いねーのかよ。開けるぞ」
ドア横にある郵便ポストを開けて鍵を取り出す。いつもそこに鍵が置いてあることを知っているのだった。
布団をかぶって息を潜めているとドアが開き竜崎が入ってきた。
ドアを開けて玄関に入るとあたりを見回して、
「相変わらず、きったねー部屋だな」
竜崎は、靴を脱いで僕の布団まで歩み寄り勢いよく布団をはがしてきた。
敷布団の上で膝を抱えて丸くなった僕を見て。
「おい! 夏音。オヤジどこ行った」
上目遣いで竜崎を見て首を横に振る僕。
「だろうな、オヤジもうここには、帰ってこねーぞ」
僕の心に不安がよぎる。
「あいつ、組の金を使い込んだんだ。見つかったらタダじゃ済まない」
僕は、父が帰らない理由がわかったと同時に本当に餓死するかも知れないと言う不安がよぎる。俯く僕のお腹が「グー」と言う音を鳴らす。
「何だ。腹減ったのか。何日食ってねーんだ」
言葉を発する気力も湧かない僕は、右手指を3本立てる。
昨晩食べたカボチャの事は、言いそびれた。
「しょーがねーな。おい! 飯食いに行くぞ。着替えろ」
着替えろって言われても着替えがない。
「服、無い」
「えー、お前、その服ボロボロじゃねーかよ。まあいいや。行くぞ」
竜崎に従うように後をついて部屋を出ると、その様子を伺うように隣の部屋のドアが半開きになり芳江が顔を半分覗かせて様子を見ている。階段を下りて行く僕たちをじっと見ている。