インターセックス
第9章 転校
「かのんちゃん、入って」先生に呼び出された。
教室に入ると皆が私を見つめている。
初めての教室は、静まり返っていて私に集まる視線を感じ体が凍りつく。
もう、頭の中は、真っ白だ。
教壇脇に立ち尽くす私に先生が自己紹介を促す。
「…… あのー、川谷夏音です。夏の音って書いて『かのん』って読みます。でも夏に生まれたわけじゃないんですけど……、よろしくおねがいします」
何を言っているんだろう? 自分でも何をどう話したかわからない位緊張していた。
自己紹介を終わると教室一番後ろの窓際に座らせられた。
席につくと緊張感から開放された。
窓際に座ると外の景色がよく見える。
教室は、二階で窓から下に青く茂る桜の木が見える。
花壇には、紫色に染まった紫陽花が見えている。
数日前には、暗黒の世界に引きこもっていた自分が今ここにいる。
やっとの思いで手に入れた安息の時、一時の安らぎなのかも知れない。
でも、この安らぎが長く続くことを願わずには、いられなかった。
過去のことは、誰にも知られないように、できる限り周りとの接触を控え空気のような存在になろう。
そう、心に決めていた。
教室に入ると皆が私を見つめている。
初めての教室は、静まり返っていて私に集まる視線を感じ体が凍りつく。
もう、頭の中は、真っ白だ。
教壇脇に立ち尽くす私に先生が自己紹介を促す。
「…… あのー、川谷夏音です。夏の音って書いて『かのん』って読みます。でも夏に生まれたわけじゃないんですけど……、よろしくおねがいします」
何を言っているんだろう? 自分でも何をどう話したかわからない位緊張していた。
自己紹介を終わると教室一番後ろの窓際に座らせられた。
席につくと緊張感から開放された。
窓際に座ると外の景色がよく見える。
教室は、二階で窓から下に青く茂る桜の木が見える。
花壇には、紫色に染まった紫陽花が見えている。
数日前には、暗黒の世界に引きこもっていた自分が今ここにいる。
やっとの思いで手に入れた安息の時、一時の安らぎなのかも知れない。
でも、この安らぎが長く続くことを願わずには、いられなかった。
過去のことは、誰にも知られないように、できる限り周りとの接触を控え空気のような存在になろう。
そう、心に決めていた。