インターセックス
第10章 無口な私
東尋坊なのだろうか幼い頃の記憶の片隅に母と崖を眺めていたような記憶が時々フラッシュバックのように思い出すことがある。
それが、単なる夢なのか本当に母と見た場所なのか、それを現地で確かめたかった。
最近、見たことのない東尋坊でデートする夢を見ることがある。
夢の中では、夕日が綺麗な荒々しい崖の上だった。
「そうね、綺麗な所らしいわ」
そんな、話をしていると隆一の脇に見覚えのある足が見える。
ミニスカートにあらわな太もも。
この足は、すばるだ! 思わずその足の持ち主の顔を見る。
すばるが私を涙目で見つめて立っている。
「夏音先輩! 探しました」
驚いた。すばるには、転校先を教えていなかった。
「すばる! どうしてここに?」
思わず立ち上がる私。
「夏音先輩のお母さんに聞いて…… どうして黙って転校しちゃったんですか」
「ごめん。ほんとうにごめん。すべてリセットしたくて…… でも、落ち着いたらすばるには、連絡しようと思っていたのよ」
「だあれ? この子」隆一がすばるを見て聞いてきた。
「あぁ、友達って言うか…… 親友だね」
「ああ、親友か。僕にも紹介してくれる」
「立山すばるって言って。前の学校の後輩」
「この人誰ですか?」すばるが隆一を見て言う。
「ああ隆一くんね。…… 名字なんだけ?」隆一くんの名字が出てこない。
「吉川、吉川隆一って言います」
すばるが怪訝な顔で隆一を見ている。
「あのー先輩と、どう言うご関係?」
「あー、僕も友…」と、言いかける言葉をかぶせるように夏音が話す。
「ただの知り合い。隣に座ってるって言うだけの知り合い」
「えー、僕は、友達だと思ってたんだけど」
「ふーん、ただの知り合いね」すばるが、隆一の足元から顔までを怪しそうに見渡す。
それが、単なる夢なのか本当に母と見た場所なのか、それを現地で確かめたかった。
最近、見たことのない東尋坊でデートする夢を見ることがある。
夢の中では、夕日が綺麗な荒々しい崖の上だった。
「そうね、綺麗な所らしいわ」
そんな、話をしていると隆一の脇に見覚えのある足が見える。
ミニスカートにあらわな太もも。
この足は、すばるだ! 思わずその足の持ち主の顔を見る。
すばるが私を涙目で見つめて立っている。
「夏音先輩! 探しました」
驚いた。すばるには、転校先を教えていなかった。
「すばる! どうしてここに?」
思わず立ち上がる私。
「夏音先輩のお母さんに聞いて…… どうして黙って転校しちゃったんですか」
「ごめん。ほんとうにごめん。すべてリセットしたくて…… でも、落ち着いたらすばるには、連絡しようと思っていたのよ」
「だあれ? この子」隆一がすばるを見て聞いてきた。
「あぁ、友達って言うか…… 親友だね」
「ああ、親友か。僕にも紹介してくれる」
「立山すばるって言って。前の学校の後輩」
「この人誰ですか?」すばるが隆一を見て言う。
「ああ隆一くんね。…… 名字なんだけ?」隆一くんの名字が出てこない。
「吉川、吉川隆一って言います」
すばるが怪訝な顔で隆一を見ている。
「あのー先輩と、どう言うご関係?」
「あー、僕も友…」と、言いかける言葉をかぶせるように夏音が話す。
「ただの知り合い。隣に座ってるって言うだけの知り合い」
「えー、僕は、友達だと思ってたんだけど」
「ふーん、ただの知り合いね」すばるが、隆一の足元から顔までを怪しそうに見渡す。