インターセックス
第1章 性転の霹靂
しばらく商店街を歩くと見知らぬ美容院へ入っていく竜崎。美容院は、入ったことが無い。僕とは、縁のない未知の領域だった。汚い僕なんかが入っていいものなのか躊躇してしまい入口前で足が止まる。そんな僕を竜崎が入り口ドアの中から振り向いて見る。
「いいから入れ」
恐る恐る店内に入ると一種独特の雰囲気を感じた。女性ばかりの店内、シャンプーの匂い。
大きな鏡と肘掛けの付いたおしゃれなカット椅子。僕には、とても不釣り合いで場違いの所に連れ込まれたような雰囲気だった。
店内は、女性客が数人カットやパーマをかけている。構わず竜崎が待合の椅子に腰かける。その横に腰掛けた僕は、不安で店内を見回していた。竜崎は、平然と雑誌を読んでいる。その竜崎に向かって美容師が声を架けてきた。
「次の方どうぞ」
竜崎が僕を見る。
「お前だよ。髪切ってこい」
何日も洗っていない僕の汚い髪の毛で大丈夫なのか不安な気持ちでカットチェアに腰かける。
美容師は、鏡越しに僕を見て、
「どうしますか」と聞いてきた。
僕は、どう注文していいかわからないので躊躇していると竜崎が、
「可愛くカットしてくれ」
少し驚いてしまった「可愛くって? 」そんな注文を竜崎がするのか。
美容師は、笑顔で僕を見る。
「ふふ、お父さん? 貴方、可愛いわね。ボブがきっと似合うわよ」
「僕が可愛い?」想像もしていなかった言葉に少し混乱していた。
しばらくするとボブカットになった僕が鏡の中にいる。ここにいる僕が僕でないような不思議な気分だ。明らかに今まで見たことのない自分が鏡の中にいる。
「ほら、可愛いわ。とっても似合ってる」
本当にこれが自分の姿なのか。鏡の中の自分に感動し胸が鼓動している。
「可愛い。僕、女の子みたい」思わず口走ってしまった。
美容師が驚いた顔で僕を見つめる。
「えっ、ごめん。あなた男の子なの?」
うなずく僕。
「ごめんなさい。ぜんぜん気が付かなかった。もっと早く言ってくれれば」
気がつくと後ろに竜崎が立って鏡の中の僕を見ている。
「思った通りだ。その髪型すごい似合てるじゃねーか」
「驚きました。女の子だと思い込んじゃって。ごめんなさいね」
「ああ、後は、その服だな。なんとかしねーとな」
確かに僕の着ている服は、ボロボロのデニムと襟がヨレヨレの汚れたシャツだった。
「いいから入れ」
恐る恐る店内に入ると一種独特の雰囲気を感じた。女性ばかりの店内、シャンプーの匂い。
大きな鏡と肘掛けの付いたおしゃれなカット椅子。僕には、とても不釣り合いで場違いの所に連れ込まれたような雰囲気だった。
店内は、女性客が数人カットやパーマをかけている。構わず竜崎が待合の椅子に腰かける。その横に腰掛けた僕は、不安で店内を見回していた。竜崎は、平然と雑誌を読んでいる。その竜崎に向かって美容師が声を架けてきた。
「次の方どうぞ」
竜崎が僕を見る。
「お前だよ。髪切ってこい」
何日も洗っていない僕の汚い髪の毛で大丈夫なのか不安な気持ちでカットチェアに腰かける。
美容師は、鏡越しに僕を見て、
「どうしますか」と聞いてきた。
僕は、どう注文していいかわからないので躊躇していると竜崎が、
「可愛くカットしてくれ」
少し驚いてしまった「可愛くって? 」そんな注文を竜崎がするのか。
美容師は、笑顔で僕を見る。
「ふふ、お父さん? 貴方、可愛いわね。ボブがきっと似合うわよ」
「僕が可愛い?」想像もしていなかった言葉に少し混乱していた。
しばらくするとボブカットになった僕が鏡の中にいる。ここにいる僕が僕でないような不思議な気分だ。明らかに今まで見たことのない自分が鏡の中にいる。
「ほら、可愛いわ。とっても似合ってる」
本当にこれが自分の姿なのか。鏡の中の自分に感動し胸が鼓動している。
「可愛い。僕、女の子みたい」思わず口走ってしまった。
美容師が驚いた顔で僕を見つめる。
「えっ、ごめん。あなた男の子なの?」
うなずく僕。
「ごめんなさい。ぜんぜん気が付かなかった。もっと早く言ってくれれば」
気がつくと後ろに竜崎が立って鏡の中の僕を見ている。
「思った通りだ。その髪型すごい似合てるじゃねーか」
「驚きました。女の子だと思い込んじゃって。ごめんなさいね」
「ああ、後は、その服だな。なんとかしねーとな」
確かに僕の着ている服は、ボロボロのデニムと襟がヨレヨレの汚れたシャツだった。