インターセックス
第16章 東尋坊からの再出発 (最終章)
「どうした? 何があったんだ」先生が教壇に立って皆に聞く。
皆黙っている。
金井くんが手を上げて立ち上がる。
「先生、吉川の奴が俺を殴ったんです」
隆一が血相を変えて立ち上がる。
「ふざけんなよ。お前が川谷さんに乱暴していたからだろう!」
「だってよ、ふざけただけじゃん。本気じゃねーし。誰だって興味あるだろ、ああ言うのって」金井が言い訳する。
先生の顔が険しくなる。
「何だって? ああ言うのって何だ?」
白石さんが手を上げる。
「川谷さんは、両性具有なんです。それを隠して居たんです。そんな人が居れば騒ぎになっても仕方ないですよね。先生!」
私は、その場に居た堪れない位、嫌な気持ちになっていた。
「ちょっと待った」ゆいが立ち上がった。
「どうして、両性具有がいけないんですか? 川谷さんだって好きで生まれてきた訳じゃないんだし」
「あれ? ゆい、そんな事言って良いの? あんたも知られたくないことあるわよね」と白石さんが言う。
まずい、白石さんの持つ切り札を出されゆいを巻き込んでは、ならない。そう思った。
「待ってください。もうこれ以上私の事で揉めないでください。私が居なくなります」
私は、立ち上がり教室をそのまま飛び出した。
「待て、川谷!」先生が呼び止める。
隆一くんも後を追おうとするが先生が制止する。
誰も居ない廊下をひた走る私。
涙が出てくる。
「もう、いい。こんな学校、未練は無い」
そんな思いで北千住駅に着いた。
ここまで必死に走ってきた。汗でまみれた自分が惨めに思えた。
皆黙っている。
金井くんが手を上げて立ち上がる。
「先生、吉川の奴が俺を殴ったんです」
隆一が血相を変えて立ち上がる。
「ふざけんなよ。お前が川谷さんに乱暴していたからだろう!」
「だってよ、ふざけただけじゃん。本気じゃねーし。誰だって興味あるだろ、ああ言うのって」金井が言い訳する。
先生の顔が険しくなる。
「何だって? ああ言うのって何だ?」
白石さんが手を上げる。
「川谷さんは、両性具有なんです。それを隠して居たんです。そんな人が居れば騒ぎになっても仕方ないですよね。先生!」
私は、その場に居た堪れない位、嫌な気持ちになっていた。
「ちょっと待った」ゆいが立ち上がった。
「どうして、両性具有がいけないんですか? 川谷さんだって好きで生まれてきた訳じゃないんだし」
「あれ? ゆい、そんな事言って良いの? あんたも知られたくないことあるわよね」と白石さんが言う。
まずい、白石さんの持つ切り札を出されゆいを巻き込んでは、ならない。そう思った。
「待ってください。もうこれ以上私の事で揉めないでください。私が居なくなります」
私は、立ち上がり教室をそのまま飛び出した。
「待て、川谷!」先生が呼び止める。
隆一くんも後を追おうとするが先生が制止する。
誰も居ない廊下をひた走る私。
涙が出てくる。
「もう、いい。こんな学校、未練は無い」
そんな思いで北千住駅に着いた。
ここまで必死に走ってきた。汗でまみれた自分が惨めに思えた。