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インターセックス

第16章 東尋坊からの再出発 (最終章)

 私の気持ちは、悲壮感に襲われていた。
世間は、私の存在を許さないのだ。
「もう、終わりにしよう」

 家に着くと母は、不在だった。
着替えをして便箋に手紙を書いた。
「少し疲れました。旅に出ます。探さないでください」
手紙を書いてリビングのテーブルに置く。

 リュックに着替えを詰め込んで家を出た。
行き先は、東尋坊だった。
母の思い出が詰まる東尋坊の、あの景色をもう一度見たかった。
何かそこに答えが待っているような気がした。
ただそれだけだった。

 電車を乗り継ぎ三国港駅に着いたのはもう夕暮れ迫る午後5時だった。
閑散とする駅前は、人通りも少なく静かだった。
駅前のタクシーに乗り東尋坊へと向かう。

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