逆ハー戦隊シャドウファイブ
第14章 14 イタリアントマト
「終わったら厨房に来てね」
笑顔を見せて赤斗さんは戻っていった。そこへ中年の男性と女性の二人が入ってきた。
「いらっしゃいませ。あの、まだお店開店時間ではないのですが」
ふくよかな男性と品の良い小柄な女性はにっこり笑って「赤斗の父、健一と母のあつ子です」と自己紹介する。
「え、赤斗さんの。失礼しました! 今日からお世話になります。鈴木桃香です」
2人は二人掛けのテーブルにつき、母親のあつ子さんが「聞いてましたよ、赤斗から。早く来て欲しいって毎日あなたのこと待ってたのよ。ねえあなた」と父親の健一さんに視線を送る。
「うんうん。とっても気立てのいい可愛らしいお嬢さんだな」
「は、あ、えーっとありがとうございます」
赤斗さんが私を待ってくれていた? 顔がなんだか熱くなってくる。
「あたしたちはお昼前から手伝うんだけど、その前にちょっとここでコーヒーを飲むのよ」
「そうでしたか。じゃあ、赤斗さんに言って、ここに運んできます」
「ありがとう」
厨房にご両親が見えてることを赤斗さんに告げると「あれ? もう来たのか。今日はやけに早いな」と棚から長いポットを取り出す。
「それって何ですか?」
「これはね。エスプレッソメーカー」
「へー。これで淹れるんだあ」
「そうだ。一応やり方見ておいて」
「わかりました」
銀色のポットはよく使われているだろうが綺麗に磨かれている。エスプレッソをお店で頼んだことがあるが、どうやって淹れているかは知らなかった。ファミレスなんかのドリンクバーでは自動でレバーを引けば出てくるのを見たことはあったけど。
ポットが大きく二つに分かれると、水を入れるところとコーヒーの粉を入れるところがあった。赤斗さんはコーヒーの粉をふんわり入れて、またポットを一つに組み立てる。
火にかけてしばらくするとポコポコと可愛らしい音と香ばしい香りが漂ってくる。
「いい香りー」
「だろ?」
小さな白いカップ二つに注ぐ。
「親父たちにもっていって」
「はい」
笑顔を見せて赤斗さんは戻っていった。そこへ中年の男性と女性の二人が入ってきた。
「いらっしゃいませ。あの、まだお店開店時間ではないのですが」
ふくよかな男性と品の良い小柄な女性はにっこり笑って「赤斗の父、健一と母のあつ子です」と自己紹介する。
「え、赤斗さんの。失礼しました! 今日からお世話になります。鈴木桃香です」
2人は二人掛けのテーブルにつき、母親のあつ子さんが「聞いてましたよ、赤斗から。早く来て欲しいって毎日あなたのこと待ってたのよ。ねえあなた」と父親の健一さんに視線を送る。
「うんうん。とっても気立てのいい可愛らしいお嬢さんだな」
「は、あ、えーっとありがとうございます」
赤斗さんが私を待ってくれていた? 顔がなんだか熱くなってくる。
「あたしたちはお昼前から手伝うんだけど、その前にちょっとここでコーヒーを飲むのよ」
「そうでしたか。じゃあ、赤斗さんに言って、ここに運んできます」
「ありがとう」
厨房にご両親が見えてることを赤斗さんに告げると「あれ? もう来たのか。今日はやけに早いな」と棚から長いポットを取り出す。
「それって何ですか?」
「これはね。エスプレッソメーカー」
「へー。これで淹れるんだあ」
「そうだ。一応やり方見ておいて」
「わかりました」
銀色のポットはよく使われているだろうが綺麗に磨かれている。エスプレッソをお店で頼んだことがあるが、どうやって淹れているかは知らなかった。ファミレスなんかのドリンクバーでは自動でレバーを引けば出てくるのを見たことはあったけど。
ポットが大きく二つに分かれると、水を入れるところとコーヒーの粉を入れるところがあった。赤斗さんはコーヒーの粉をふんわり入れて、またポットを一つに組み立てる。
火にかけてしばらくするとポコポコと可愛らしい音と香ばしい香りが漂ってくる。
「いい香りー」
「だろ?」
小さな白いカップ二つに注ぐ。
「親父たちにもっていって」
「はい」