逆ハー戦隊シャドウファイブ
第14章 14 イタリアントマト
慎重に運び、エスプレッソを二人の前にそっと差し出す。
「お待たせしました」
「ありがとう。いい香りね」
「君も早く厨房に戻りなさい」
「あ、はい」
頭を下げて、そそくさと厨房に戻ると、赤斗さんがステンレスの天板の上に置いた小さなカップを指さし「一緒に飲もう」と微笑む。
「いいんですか?」
「うん、ちょっと休憩しよ」
「はい」
「そこ座るといいよ」
そっと口をつけると小さなカップは熱を帯び温かかった。ほろ苦さと深さを感じる。
「美味しい!」
「よかった。これも良かったら」
そう言って赤斗さんは小さな四角いチョコレートを差し出す。
「じゃ、いただきます」
口に含むと甘さが広がってとろけていった。赤斗さんも小さなチョコレートをつまんで口に放り込む前に、チュッっと口づけした。
その瞬間にまた、あの怪人に催淫剤を使われて乱れに乱れた夜を思い出す。赤斗さんの大きな唇とみていると、より具体的に思い出してしまう。あの唇で、私の……。
「桃香ちゃん、混んできても慌てなくていいからね」
「は、はい!」
「わっ、気合入ってるね」
「え、いえ、まあ」
「お昼は遅くなっちゃうけど、美味しいまかない作るからね」
なんとか回想を食欲の方へ転換しようと、私はひたすら壁に書いてあるメニューを読んだ。
「お待たせしました」
「ありがとう。いい香りね」
「君も早く厨房に戻りなさい」
「あ、はい」
頭を下げて、そそくさと厨房に戻ると、赤斗さんがステンレスの天板の上に置いた小さなカップを指さし「一緒に飲もう」と微笑む。
「いいんですか?」
「うん、ちょっと休憩しよ」
「はい」
「そこ座るといいよ」
そっと口をつけると小さなカップは熱を帯び温かかった。ほろ苦さと深さを感じる。
「美味しい!」
「よかった。これも良かったら」
そう言って赤斗さんは小さな四角いチョコレートを差し出す。
「じゃ、いただきます」
口に含むと甘さが広がってとろけていった。赤斗さんも小さなチョコレートをつまんで口に放り込む前に、チュッっと口づけした。
その瞬間にまた、あの怪人に催淫剤を使われて乱れに乱れた夜を思い出す。赤斗さんの大きな唇とみていると、より具体的に思い出してしまう。あの唇で、私の……。
「桃香ちゃん、混んできても慌てなくていいからね」
「は、はい!」
「わっ、気合入ってるね」
「え、いえ、まあ」
「お昼は遅くなっちゃうけど、美味しいまかない作るからね」
なんとか回想を食欲の方へ転換しようと、私はひたすら壁に書いてあるメニューを読んだ。