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逆ハー戦隊シャドウファイブ

第21章 21 激闘の末に

「桃、お疲れ様。黒彦。調子はどうだ?」
「ん。もうほとんどいいよ。薬ももう抜けたし」
「そか。よかったな。どうする? 実家に戻るか? 俺んちにでもしばらく居てもいいし」
「ありがと。一度家に戻る」
「そっか。調子が戻ったならみんなで一度集まろう。快気祝いってやつだな」
「ふふっ。自分が蒔いた種で快気祝いをしてもらうって言うのはなんだかな」
「まあまあ。もういいじゃん。さっそく今晩、イタリアントマトでな。桃もきてね」
「あ、はい」
「じゃ、そんだけ。またね」
「お疲れ様です」

白亜さんが去った後、「もうついていなくても大丈夫だ」と黒彦さんが言う。確かにもう平気そうだ。ここに居る意味が無くなった。
もうシャドウファイブの活動もなくなるだろうと同時に、私がピンクシャドウとして役割も終わる。これからどうしようかな。また考えないといけなくなってきた。仕事の事、人生の事。

「どうしてシャドウファイブのメンバーになったんだ?」

考え込んでいるところに黒彦さんが質問をしてきた。

「えっと」

私はスライミー怪人に捕まり、シャドウファイブに助けてもらってから、メンバーになるまでの経緯を話す。

「ぷっ! 白亜の奴、抜けてんな! デカパイにしなくてもピンクなだけで女だって思うっつーの!」

話がウケたようで彼はクックックと笑い始める。初めて見る屈託のない笑顔が少年のようにあどけない。

そこへ赤斗さんがお見舞いにやってきた。

「やあ。どう? 調子。んん? やけに元気そうだな黒彦」
「ぶっ、ぷっ、くくっ。今、白亜の、ピンクの、話聞いて。ぷっ!」
「あ、ああ、あれか。あれはちょっとまずったよな」
「あー、面白かった。そばで見てればよかった。でもよく見ず知らずの人間をメンバーに加えたな」

黒彦さんはちらっと私を一瞥して赤斗さんに顔を戻す。

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