逆ハー戦隊シャドウファイブ
第22章 22 逆ハー戦隊の解散
白亜さんがワインを注ぎながら「ところでさあ、黒彦の実験データってイサベルのとこだよねえ。取り返さなくて平気?」と気軽に聞く。
私はそんな大事なものが人の手に渡っているのを放置するなんて、大丈夫なのだろうかと他人事ながら心配になる。
「平気だ。寧ろ使えるものなら使ってほしい。悪事には絶対に使えないからな」
「そっか。じゃ、平気だなー」
「でもさ、イサベルはそれを手に入れて一儲けしようと思ってたんだろ?」
「さあな。儲けるも何も彼女は経済的に困ることはないだろうが」
「よくわかんないよな」
黒彦さんの実験は人の肯定的な感情、希望や愛情などを物質化し、植物を育成するものだったようだ。モーツァルトの音楽を、果樹園で流し美味しい実をつけさせるみたいな事を、もっと具体的に効果的にできるらしい。確かに欲望などの負のエネルギーは転換されないだろうから悪事には使えない。
「だから彼女がなぜそれを持っていったのかよくわからない」
「全くだな」
メンバーたちは不思議そうに話しているが、私にはなんとなくわかる気がする。
「あの、イサベルさんは本当に黒彦さんが好きだったんじゃないでしょうか。実験データが目的なら、黒彦さんを生かさなかったかもしれないし」
「ああー。なるほどねー」
「お前がイサベルにつれなくするからだろう」
「そういうつもりはなかったんだが」
爆発まで彼女が仕組んだことがどうかは分からないけど、きっと二人で作り上げたデータを持っていたかったのではないだろうか。真相は闇の中だけど。
私はそんな大事なものが人の手に渡っているのを放置するなんて、大丈夫なのだろうかと他人事ながら心配になる。
「平気だ。寧ろ使えるものなら使ってほしい。悪事には絶対に使えないからな」
「そっか。じゃ、平気だなー」
「でもさ、イサベルはそれを手に入れて一儲けしようと思ってたんだろ?」
「さあな。儲けるも何も彼女は経済的に困ることはないだろうが」
「よくわかんないよな」
黒彦さんの実験は人の肯定的な感情、希望や愛情などを物質化し、植物を育成するものだったようだ。モーツァルトの音楽を、果樹園で流し美味しい実をつけさせるみたいな事を、もっと具体的に効果的にできるらしい。確かに欲望などの負のエネルギーは転換されないだろうから悪事には使えない。
「だから彼女がなぜそれを持っていったのかよくわからない」
「全くだな」
メンバーたちは不思議そうに話しているが、私にはなんとなくわかる気がする。
「あの、イサベルさんは本当に黒彦さんが好きだったんじゃないでしょうか。実験データが目的なら、黒彦さんを生かさなかったかもしれないし」
「ああー。なるほどねー」
「お前がイサベルにつれなくするからだろう」
「そういうつもりはなかったんだが」
爆発まで彼女が仕組んだことがどうかは分からないけど、きっと二人で作り上げたデータを持っていたかったのではないだろうか。真相は闇の中だけど。