テキストサイズ

逆ハー戦隊シャドウファイブ

第13章 13 ブラックシャドウのアジト

地下から上がり、商店街を白亜さんと一緒に並んで歩くと、あちこちのお店の女の子たちから声がかかる。

「やあーん、白くぅーん、そのこだあれぇ?」
「ハクさーん」
「彼女作ったのぉ?」
「こんどお店きてねえ」

気さくに白亜さんは手を振っている。やっぱりモテモテだ。女の子の中には私を睨む子もいる。

「あの、白亜さんは、というか、メンバーのみんなは恋人いないんですか?」
「ん? 前はみんないたよ。でもこっち帰ってくる前に別れたんだ」
「そうだったんですかあ」
「俺たちはずっと外国で勉強と仕事してて、付き合ってた子たちはみんな多国籍で、自我が強くてさ。帰国するって言うと『あっそう。残念ね』ってさ」
「は、はあ」
「みんなやることがあるからね。俺たちについてこようなんて考えなかったみたい」
「す、すごい……」

これだけ魅力的な人たちを前に、悩まずに仕事を選べるなんて凄すぎる。でも、それだけ男の人に振り回されない自分を持っているという事なんだなと思うと、またその人たちは尊敬の対象になった。

「そういえば誰も日本の女のこと付き合ったことがないんだよなあ。青音はアジア系好みだったけど」
「はあ……」
「帰国したら帰国したらでブラックシャドウが現れて、恋人どころじゃないしね」
「そうですね」
「でも、やっぱり同じ民族ってやっぱり安心するね」

すっと立ち止まって白亜さんは私を見つめる。

「桃みたいな子は、日本じゃ標準?」
「え? 標準って?」

手を伸ばして彼の指先は私の毛先をもてあそび始め、髪の毛をくるくると巻き付ける。そのくるくる円を描く指先が、耳たぶをさっとかすめる。

「んっ」
「日本の女の子はそんなに男をサポートして、黙って尽くしてくれるものなのかなって」
「えーっと、そういうつもりでないのですが」
「母親のようなそうでないような。でもとても心地よいよ。黙っててもわかってくれてるのかな、なんて思ったりしてさ」
「そ、そうですか」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ