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女子高生香織の痴漢列車

第2章 慰めと目覚め:トイレにて

 それにしても、と香織は思う。今日はたまたま体育着を持っていて良かった。
 家にたどり着くためにはこの駅を出てしばらく歩かなければいけない。この肌寒い秋の夕暮れに濡れたままの格好で歩いていれば、風邪をひいてしまっただろう。
 香織が上のブラウスを脱いだ時、ふと鏡に映る自分と目が合った。
 鏡の中から香織を見つめ返しているのはやや青白い顔をした華奢な少女。くりっとした黒目がちの瞳は不安げに揺れ、髪の毛は少し乱れている。その下に続く肢体は、やや凹凸が控えめなものの、健康的でバランスの取れた肉付きをしていた。
 そして薄い毛に覆われた秘部に目が行く。ここを散々見知らぬ男に触られてしまったのだという実感が香織を襲う。電車内で陵辱された身体の火照りは、時間を経て鎮まっていた。だが、身体の奥底にのこる小さな疼きのようなものは未だに消えなかった。
 その疼きにいざなわれるように、香織の指は、知らず知らずのうちにそこへと伸びていた。

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