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女子高生香織の痴漢列車

第2章 慰めと目覚め:トイレにて

 固く閉ざされていた冬の花芽が春になってほころび咲くように、ゆっくりと外界へとその姿を現した小さな突起。
 そこへそろそろと近づいていた白くほっそりとした指は、もうあと僅かというところまでくると見えない壁にぶつかったように止まった。葛藤するかのごとく震える。

「だめ、だめよ……」

 微かな声で呟いたのは香織だった。彼女の右手はまるでそれ自身が意思を持っているかのように彼女の園へと近づこうとする。今、香織は必死に精神力をかき集め、その争いがたい力に抵抗していた。両者は拮抗し、指は進むでもなく戻るでもなく、ただその場でぷるぷると震え続けていた。

「こんなところで……そんなっ、はしたない……」

 むろん彼女とて健全な若い女性である。決して口外することはなかったが、当然彼女にも人並みの性欲はあり、時たま持てあました昂まりを自分の部屋で密かに鎮めることもあった。
 そのことに関しては誰に迷惑をかけるでもなくプライベートな空間であるので、はしたないとは思いつつも香織は半ば諦めている。

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