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女子高生香織の痴漢列車

第3章 囚われの

「ん〜〜〜〜!」

 問題集を順調に解き進めていた香織は、一区切りついたところで伸びをした。同じ姿勢で問題を解いていたことによって凝り固まった筋肉が音を立ててほぐれていくような気がする。ふと時計を見ると時刻はすでに23時をまわっていた。

「そろそろ寝よう」

 香織はやることを済ませ、豆球に切り替えて薄暗くなった部屋でベッドに入った。
 布団に包まり、目を瞑る。いつもならたちまちに睡眠の帳が下りるのだが、その日に限ってなかなか寝つけなかった。
 まるで身体の中心が熱でも持っているかのように疼いている。何か満たされないような気分に襲われた香織は、右手をそろそろと股間へと伸ばしていた。

 その日以降、夜の自慰行為は香織の欠かせない日課となってしまっていた。今までならそのような行為は月に数回、翌日が休みの日に限っていたのだが、毎晩ともなると学校がある日は寝不足になってしまうのも必然だった。
 問題はもう一つあった。
 濡れないのだ。
 痴漢にあった日は異常なほどに濡れた香織は、翌日以降はまったくもって乾いていた。
 潤滑油の足りない香織の性器は直接触ると痛みしか感じず、下着の上から撫でるしかなかった。しかしその中途半端な愛撫では絶頂など夢のまた夢であり、香織は知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでいたのだった。


 バスが高校に着き、生徒たちがぞろぞろと降りていく。げだ箱で靴を履き替えながら玲奈が振り向いて言った。

「まあ、体調崩したらあたしに言いなよ? ご飯作りに行ったげるからね」

「えー、やさしいじゃん」

「そりゃそうでしょう。あたしみたいな善人は苦しんでいる友達を放っておけないよ!」

 やけに朗らかに笑う玲奈。

「本音は?」

「まいってる香織の胸なら揉み放題かなーって」

「ちょっと玲奈ぁ?!」

 てへぺろっと舌を出して駆けていく玲奈の後ろを追って、香織は教室へと入っていくのだった。

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