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女子高生香織の痴漢列車

第3章 囚われの

「で? どこなんですか、ここは」

 香織たちは場所を移動し、暗い屋内に来ていた。手に持つスマホのライトのおかげでなんとか視界が確保できている。

「廃業したカラオケボックス。といっても最近のことで、まだ部屋の中はそんなに汚れてない。いい場所だろ?」

 傍に立つ恒が自慢げに言う。そう言われてみると、香織たちが今立っているのは少し大きめのパーティールームのようなカラオケ部屋の入り口だった。ただし廃業の際に運び込まれたであろうパイプやら棚やらで室内の半分は占領されている。
 恒は香織に入るように促すと、自分も室内に移動してドアを閉める。カチャリと音を響かせて、鍵が閉められた。
 その音にビクリとして、カラオケのドアに鍵なんかあったっけなどと思いながら、

「な、なんで鍵を閉めるんですか。というかここ勝手に入っていいんですか」

「聞いた話じゃあここを潰すにもその金がないらしいからな。まあ、たまにガキが秘密基地とかって入り込むらしいから……。そういう邪魔が入らないようにな」

 恒はカバンから電池式のランプを取り出して、机に置き、点灯した。意外に強いLEDの光で室内が照らされる。

「さて、じゃあまずは荷物を置いてそれに座ってもらおうか」

 空いているスペースの奥にある、二人がけくらいのソファを示される。香織は大人しく言われた通りに座った。

「じゃあ、言うことを聞いてもらおうかな」

 恒の双眸が怪しく光った。

「わかった。でもそうしたら動画をちゃんと消してくださいね」

「もちろん。なんなら今消すかい? ほら」

「え?」

 意外にも恒はスマホを差し出してくる。画面には例の動画。香織は削除ボタンを押して動画を消去し、返却しながら、

「意外ですね、先に消させてくれるなんて」

「まあ、こうすることで不安なしに言うことを聞いてもらおうと思ってね。こっちの都合でもあるから気にしなくていいよ」

 言いながら、恒はスマホをポケットにしまった。

「それで、わたしは何をすればいいんですか」

 早く終わらせて解放されたいと思い、水を向ける。恒は、

「なに、僕の目の前でオナニーをしてくれれば良いよ。あれはエロかったからなぁ。ぜひ生で見学させてもらいたいものだ」

 そういうと、香織の正面に持ってきた椅子に座り、ニンマリと笑った。

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