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男性看護師 良治

第5章 女医 ゆかり

あの鈴木というゆかりと何らかの関係のある謎のおじさんは、予定通り退院していった。

それから一週間くらいが過ぎ、朝出勤するとゆかりがいた。良治が挨拶する前に、ゆかりが笑顔で挨拶してきた。

「森山さん、おはようございます!」

その場にいた何人かの看護師は、驚いた。何故ならゆかりは、看護師にたいして自分から挨拶をしたことがない。ましてや笑顔でなんて尚更……。

良治は、

「おはようございます!」

と普通に挨拶を返す。

すると、集まってヒソヒソと話をしていた女性看護師の一人が、良治に近付いて来た。そして、

「森山さん、山内先生と何かあったでしょ!だって山内先生今日、お化粧スゴく気合い入ってるし、森山さんの姿見たら嬉しそうに挨拶したもの!あんな山内先生見たの初めてよ!」

と話し、探りを入れてきてるようだ。良治は、

「僕は別に、山内先生とは何もないですよ!だいたい、山内先生が男性看護師に興味を持つとも思えないし……。」

と言うと、

「だから驚いているんじゃない!何かなかったら山内先生だってあんな風にならないでしょ!」

と女性看護師は言うが、良治は、

「僕に言われても、僕も分からないよ!」

と言って、その場を立ち去ると、またヒソヒソ話をしてるようだった。

良治が、廊下を歩いていると向こうからゆかりが歩いてきて、

「森山さん、昼休みご飯食べた後でいいから打ち合わせ室に来てほしいんですけど、来れますか?」

と言われる。良治は、突然のことだが

「はい、大丈夫です!」

と答えた。

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