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ワルキューレの朝ごはん

第2章 化学反応

ひきこもりのコミュ障野郎のマサルは目下入院中、その事後的に思うと17年もの昏睡状態。

絶対絶命の袋小路、何せうちのクラスの狂暴な男子を選抜したような3人に暴行されている。

「誰カ助ケテェーン!」て声を限りに叫んでみたところで、誰も助けてはくれないだろうし、

今更、その存在の空白を身に染みて実感するのは遠慮したい。

もう魔法は存在しない、それは端的に云うと現実逃避だった。

どうせ何も起こらないこの夜に 金剛性の指環を薬指に嵌めて街を彷徨うピンヒールの足音。

「イイオンナジャネェカ?」

廃墟で屯(たむろ)している年季の入った浮浪児の少年たち。

スプリングの軋む音、幾重にも反射して響く、動物めいた愚鈍さで存在を刺激し、実に不快な勃起を強いる謎の少女の出現!

そんな展開に相応しく身仕度を整えはしたもののいささか堕落したが、変質した訳ではない。

何の前触れもなく一人で不良
グループのアジト(廃墟)に来た少女と遭遇して錯乱する、事態は絶望的と云う他ない。

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