カスミ草の花束
第1章 カスミ草の花束
ハナがバスルームのドアを開ける。
くっついていたゴムのパッキンが剥がれるような音のあと、ガラス替わりの安っぽいポリカーボネート板がバンと音を立てて震えた。
「え……? 忘れちゃたな。けど泊まる気満々だよね。ハナ?」
本当は忘れる訳がなかった。夏休みは毎日、お金持ちホソイの家に行ってプールに入らせてもらっていた。
ある日、僕らはハナの着替えを目にした。それまで異性として見たことなどなかったハナのお尻は、ふんわり柔らかそうで、僕ら男の子の身体とは違っていた。それに少し赤みを帯びた彼女の胸の先端は、少しだけ膨らみ始めていて、板のような僕らのそれとは違っていた。
僕らの目は、ハナの膨らみに釘付けになっていた。
「……ね、いいよね。あ、タロのティシャツこれ借りる……ね?」
バスルームの中からハナの声が響いて、シャワーの飛沫の音が大きくなった。
くっついていたゴムのパッキンが剥がれるような音のあと、ガラス替わりの安っぽいポリカーボネート板がバンと音を立てて震えた。
「え……? 忘れちゃたな。けど泊まる気満々だよね。ハナ?」
本当は忘れる訳がなかった。夏休みは毎日、お金持ちホソイの家に行ってプールに入らせてもらっていた。
ある日、僕らはハナの着替えを目にした。それまで異性として見たことなどなかったハナのお尻は、ふんわり柔らかそうで、僕ら男の子の身体とは違っていた。それに少し赤みを帯びた彼女の胸の先端は、少しだけ膨らみ始めていて、板のような僕らのそれとは違っていた。
僕らの目は、ハナの膨らみに釘付けになっていた。
「……ね、いいよね。あ、タロのティシャツこれ借りる……ね?」
バスルームの中からハナの声が響いて、シャワーの飛沫の音が大きくなった。