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大きな桜の木の下で

第9章 紅い花

駅までの帰り道で和にぃにLINEをした

【昨日はお願い聞いてくれてありがとう
今から帰ります。】

【はいはい
おばさんには雅紀と結婚前の祝で
カラオケでオールしたって言っといたからな
ちゃんと口裏合わせてね〜】

【わかった。頑張る】

【頑張れ〜
しばらくは家族に裸
見られないようにしろよ〜】

【えっ?なんで裸?】

あれっ?智と上手くいったんだよな?

あいつ跡付けなかった?

ん?十年以上思い続けてやっとできたのに?

あいつには無理だろ…

翔ちゃんが見えない所にでも付けたのか?

【なんででしょうね〜
家で鏡見たらわかるよ
じゃあね〜】

鏡?なんで?

駅のお手洗いで鏡見たけど

特に何も付いてないよ?

う〜ん。よくわかんないな…

って思ってたのに〜〜〜

夜、お風呂に入ったら…

「あっ〜〜〜〜〜‼」

「翔?どうしたの?」

「あっ、お母さん…
なんでもない〜
ちょっと滑っただけだから大丈夫〜」

「そう?怪我してない?」

「大丈夫!」

「もう、気をつけてよ」

「は〜い」

あっ、あぶなかった〜

それにしても何これ〜〜〜?

服で見えない箇所に

真っ赤な花弁が散ったような跡……

あっ!これって…さとし君の…

和にぃが見せるなって…これの事?…

朝着替えた時は

ぼーっとしてて気付かなかった…

えっ?なんで和にぃ…わかったの?

恥ずかしい…けど…

やっぱり和にぃって…怖い…

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