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大きな桜の木の下で

第2章 子供の頃

よし…こんなもんかな

「描き終わったの?」

「うん今日は色持ってきてないからね」

「お兄ちゃん魔法使いなの?」

「へっ?違うよ、なんでそんな事思ったの?」

「だって色がついてないのに
すっごくきれいなんだもん」

「んふっありがと
そんなに気に入ったならあげる」

「えっ!いいの?」

「うん、そんなのでよければもらって」

「ありがとう、宝物にするね」

俺の絵を大事に胸に抱えてる

なんか可愛い

あれ?なんか聞こえる…

「おーい!」

「あっ!おじいちゃま〜〜〜!」

「おおっ無事で良かった
帰って来ないから心配したぞ」

「ごめんなさい
桜見ながら来たら帰り道が
わからなくなっちゃったの」

「無事ならそれでいい
婆さんがご飯作って待ってるから帰るぞ」

「は〜い。お兄ちゃんありがとう」

「おっ?誰だ?」

「あのね、お兄ちゃんが一緒にいてくれたの
絵も描いてくれたのよ」

「そうか、翔子を護ってくれたのか
ありがとな」

「いえ、たまたま絵を描きに来たら
その子が居ただけだから」

「そうか?坊主この辺じゃ見かけない顔だが
名はなんと言う?どこから来たんじゃ?」

「智です。家は東京だけど
今日はおとんの別荘に遊びに来てる」

「お兄ちゃんさとし君って名前だったのね」

「なんじゃ、翔子は名前も聞いてないのか?
別荘か…それなら見た事無いな。
世話になったな、うちはこの町の神社だ
何時でも遊びにおいで」

「えっ⁉いいの?」

「翔子の友達なら大歓迎じゃ
ワシとも仲良くしてくれるか?」

「ありがとじぃちゃん。そのうち遊びにいくよ」

「遅くなると婆さんに叱られるから帰るぞ」

「は〜い。さとし君絶対遊びに来てね。」

「おう!もう迷子になるなよ」

「さとし君のいじわる…ならないもん」

「ふふっ、すねるなよ、ほらじぃちゃん待ってるぞ」

「うん。じゃあバイバイまたね〜」

「バイバイ」

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