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あの頃より大きくなった桜の木

やっぱり綺麗でつい見惚れてたら不意に強い風が吹く

桜吹雪…

びっくりしたけど…すごい…綺麗…

「また迷子になったの？」

えっ？

何時の間にか人が居た…

なんで…

さとし君…会いたかったのに…

今は会いたくなかったよ…

「おーい！固まってどうした〜？
ほんとに迷子になったのか？」

「さ…さとし君…」

「久し振り翔子ちゃん」

ギュ！

えっ？なに？なんでハグ？

「迷子になって泣くなよ〜」

えっ？私…泣いてる…

「ま…迷子じゃないもん」

しばらくそのままでいたらやっと涙がとまった。

「ありがと、もう大丈夫」

「そう？俺はこのままでもいいけど」

えっ、私も離れたく無い…

けど…そっとさとし君の腕から離れた。

「それにしても久し振りだね」

「うん…すれ違いで全然会えなかったから」

「今は大学生だっけ？」

「もう春に卒業したよ」

「じゃあ社会人になるんだ〜」

「………」

「ん？就職決まらなかったの？」

「…結婚するから…就職はしなかったの…」

「そうなんだ…おめでとう！
って…なんでそんな顔してるの？
その人の事すきなんでしょ？」

「…わからない……」

「えっ？結婚するんでしょ？」

「まだ、会ったこと無いの…
来週お見合いするから…」

「…そうなんだ…」

あれ？

なんか、さとし君寂しそうな顔…

なんで？

「お見合い嫌な人なの？写真とかみたんでしょ？」

「…見てない……」

「えっ？」

「相手の人はおじいちゃまの紹介だから
いい人だとは思うけど…
結婚は家の為にするってきめてたから…
相手の人には悪いけど、誰でもいいの…」

「そっか…」

「…そう思ってたのに…なんで…」

「ん？」

「さとし君に会ったら……私……」

「どうした？」

「……すき…ずっと…忘れられなかった…」

ギュ！！

えっ？