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大きな桜の木の下で

第5章 アリバイ

さとし君と手を繋ぎ別荘まで来ちゃった。

今更だけど、恥ずかしくなってきた…

「ここだよ。ほんとにいいの?
今ならまだ戻れるよ」

でも…今日だけでもいいから一緒に居たい。

「…うん…いいよ」

「じゃあ入って
そこがリビングだから適当に座ってて」

「はい…お邪魔します。あっ!!」

「ん?」

「電話かけていいですか?
今日帰る予定だったから…」

「もちろんいいよ」

『もしもし…お母さん
あのね…今日帰る予定だったんだけど
もう一泊して帰る』

『えっ?えっとね
おじいちゃまの家じゃなくて…
和にぃ達…』

『うん、そう、だから心配しないで
はい。明日には帰ります
は〜い』

「大丈夫だった?」

「うん」

「和にぃって和也の事?」

「そうです。あっ!
和にぃにも言っとかなきゃ…」

「ん〜?」

「あ、あのね、お母さん心配性だから
もしかして和にぃにも連絡しちゃうかも
一緒に居ないの知ったら大変だから…」

「そっか、じゃあ早く連絡しなくちゃ」

「うん。ありがと」

う〜ん…でも…どうしょ

電話だと和にぃに、いろいろ聞かれたら…

「どうした?連絡しないの?」

「あっ…する…するよ…
でも…和にぃ鋭いから電話だと…」

「メールとかでいいんじゃね?」

「そっか…そうする。」

【和にぃ…お願いがあるんだけど…】

【何?翔ちゃんからお願いなんて珍しいね】

【あのね。今日和にぃ達と一緒にいるから
明日帰るってお母さんに連絡しちゃった】

【あっそうじゃあ連絡来たら
適当に誤魔化してあげるよ】

【お願いします】

【まぁ、翔ちゃんも子供じゃ無いんだから
詳しくは聞かないけど貸し1つですよ】

【ありがと〜♪ 今度お礼するね】

【はいはい。期待してるね〜】





和也Side

は〜っ…

あの翔ちゃんが親に嘘ついて外泊ですか〜

て事は、智に無事会えたってことだな

(にゃり)

まぁそう仕向けたのは俺なんだけど、

ちょっと寂しいですね〜

この貸しは大きいな〜♪♪

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