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人から見れば地獄。ただ僕は幸せだ。

第2章 人生の転機。

中学1年生。
ピカピカの新入生だ。
学園の生活にまだ慣れてないが学校が始まった。
もちろん学校の人と会うのも初めてだ。
みんな小学生から一緒だっため、グループが何個かできていた。
友達などいなかった僕。
作り方がわからなかった。
馴染めるかどうか不安でしかなかったが、僕に訪れた試練は勉強だった。
入学式が終わった次の日、学力テストが行われた。
国語、数学、理科、社会の4教科。
小学生の問題だからみんな簡単そうに解く。
ただ僕は算数など掛け算までしか知らない。
もちろん分数や小数点、面積、時間、距離全てが分からなかった。
全教科400満点のテストを僕は72点で終わる。
1教科じゃない。全教科合わせて72点だ。
普通なら絶望になる所だったが、僕にもわかる問題があるのだと案外気楽な気持ちだった。
しかし後ろの席の人が「君ヤバイね」と声をかけた。
この人が僕の中学生活、そして人並みの心を取り戻させてくれたこうきくん(仮名)だ。
君ヤバイね。と声をかけてくれて、普通なら印象が悪いかもしれないが僕に話しかけてくれた方が嬉しくて僕は真剣にこう答えた。
バカすぎてどうしようもないからとりあえず分数教えて。
こうきは嫌な顔せず、勉強を教えてくれるようになった。
休み時間も使って教えてくれて、勉強通じてどんどん仲良くなったのを10年以上前の話なのに今でも鮮明に覚えている。
学校では人間関係も良好でおバカキャラなこともあってすごく幸せな時間を過ごしていた。
しかし施設ではそうではなかった。
全教科72点を取った日、指導長のとこに結果を見せに行った。
恥ずかしい結果だがいまの僕の実力だ。
自分ではそう思っていたが指導長は違った。
バチーン。すごい音がし、僕の視界がグラつく。
頬をぶたれたのだ。痛みを感じない僕だったがびっくりして何も言えなかった。
勉強しろ!なんでそんな頭が悪いんだ!
そう怒鳴られ、頭が悪いことを説明しろと言われても何を言っていいのか分からなく黙るしかできなかった。
先生がどんな答えを求めてるか知らなかったが、黙ってら僕に苛立ちまた頬をぶった。
2発目の時にフラッシュバックした。
脳裏に焼き付いている母親や、前の施設での暴力が走馬灯のように流れた。
そして心の中で諦めた。
僕の人生に暴力がなくなる日は無いんだ。
そんな生活を半年くらい続けて、事件が起こる。

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