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中二の6月頃。
ある日、施設のリーダー格の人が急にいなくなった。
部屋の荷物も綺麗さっぱりなくなっていた。

○○君がとんだ。
問題を起こして施設を追い出されることをとぶという。
なぜとんだのか。
暴れて窓ガラスを割ったりしたからだ。

この時からここの施設でとぶ人が多くなった。
理由は簡単だ。
施設に集まる子供たちの変化だった。
今まではいわゆる不良と呼ばれる人達が中心に集まってきた。
しかし今の施設もそうだがこの時くらいから育児放棄や不良になって親が手をつけれない子供より、引きこもり、いじめ、自殺未遂などなどの理由により入所する人が増えた。
元々親の虐待をうけた子供たちが多い施設で暴力というのは悪でしかなかった。
そういった理由で暴力を振るう人間は追い出されていったのだ。
僕は暴力を肯定するわけではないが、暴力でしか表現できない子供もいて、それを体張って違うと教えるのも先生達の役目ではないかと今では思う。

僕も追い出される側の人間だった。
いろんな先生に施設にいれなくなるぞ！
と言われて、施設に未練はないが学校の友達に会えなくなるのは嫌だった。
自分なりに我慢をすることにした。
この時すでに喧嘩を売ってくる人もいなく喧嘩は弱いが口の達者なやつばかりだった。
自分より弱い人と喧嘩はしたことなかった僕はストレスが溜まる一方だった。
毎日エネルギーをもてあましていた。


そんな時に新しい子がはいってきた。
その子は自分のことを喧嘩に負けたことない俺最強とずっと言っていた。
ただどうみても強そうには見えないし、顔は青白く、腕は小枝みたいに細い。
僕は相手にしなかった。
ただ周りの子供達は僕をほっといてはくれなかった。
なぜならばそんな子がはいってきたら余興としてタイマンをするのが通例になっていたからだ。
みんなが言う。いつやるの。はやくヤキいれて。
僕は後に引けなくなる。やるしかなかった。
軽くやって終わるはずだった。
相手の事を考えずに相手の覚悟を考えずに。
僕は夜遅くみんなを集めた。