テキストサイズ

人から見れば地獄。ただ僕は幸せだ。

第2章 人生の転機。

児童相談所に戻った僕。
小さい時から何回も何ヶ月も何年もいたここは知ってる人が多く、家みたいなところだ。
大事件を起こして戻ってきた僕にもここの職員達は僕に優しくしてくれる。
清掃のおばさんまでも僕のことを知っている。
大人になってから知ったことだが、僕に対しての児童相談所の処遇はほとんどが全国初の試みばかりで僕は北海道の児童相談所の人気者だったのだ。
しかし大事件を起こした僕は毎日のように精神鑑定と面談の繰り返しだ。
あたまがおかしくなるくらいやらされたことを覚えている。
施設に戻りたいか戻りたくないかの質問の時、僕はどちらでもいいと答えた。
本当にどちらでもよかったのだ。
戻れるなら今度こそまっとうに生きようと思ったし、戻れないなら戻れないでどうでもよかった。
とりあえず学園長と三昧先生を呼び謝罪をしようという話になった。
僕は謝るのが苦手だった。
頭を下げるのが嫌いだった。
謝罪当日、面会室で対面した。
僕からの謝罪で話し合いがはじまる。
僕は言葉が出ない。
1分、10分と時間だけが過ぎる。
30分ほどたって僕はやっと決心がつき、目が真っ赤になり今にでも泣き出しそうな顔で謝罪した。
問題を起こしてごめんなさい。もうしないです。
学園に帰りたいです。お願いします。見捨てないください。
僕は途中から泣きながら謝罪した。
学園に戻りたいからじゃない。頭を下げることが悔しくて、悔しくて涙を流した。
学園長はもうお前の居場所はないよ。
お前がいても他の子が萎縮しちゃう。
今回の事件でお前がいなくなったら良い見せしめになる。だから帰ってくるな。
僕は学園長の話しを聞いて安心してしまった。
やっぱりそうだよな。
確かに今回の事件は完全に僕が悪い。
ただ子供を預かる施設の長がここまで鋭い言葉で子供を傷つけるのかと。
やっぱり大人はそうだよなと思って安心したのだ。
児童相談所の先生も何も言わないことから元々決まってたことだと知る。
じゃぁなんのために僕に謝罪をさせたのか。
人生の経験になると思ったのか、僕は信頼できる人がいないじゃないか。
そう思った時、待ってくださいよ!
と力強い声をだしたのが三昧先生だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ