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人から見れば地獄。ただ僕は幸せだ。

第2章 人生の転機。

三昧先生が声を発した。
待ってくださいよ!
ここでこいつを見捨ててどうするんですか!?
誰がこいつを守るんですか!?
誰がこいつを支えるんですか!?
こいつは辛い過去を乗り越えようと毎日必死に生きようとしてるです!
毎朝笑顔の練習してるの知らないんですか!?
朝はおはよう、夜おやすみ、こいつは毎日事務所にきて挨拶をする!
子供同士でも挨拶をする!
学校の評価にも書いてあったじゃないですか!
こいつにも良いところたくさんあるんです!
暴力はよくない。暴力はよくないけどこいつら施設の子供たちの世界は普通の子供たちとは違うんです!
やるかやられるかの世界で毎日ビクビクしてるのがわからないんですか!?
こいつは、、、こいつは変わろうとして歩きはじめてるんですから、だから見捨てないでやってください。
お願いします。
そういい三昧先生はその場で土下座をし頭を下げた。
僕は話しの途中から涙が止まらなくなった。
僕のためにここまでしてくれる大人を知らない。
口ではいいこと言う大人しか知らなかった。
人の為に頭を下げることができる人がいるなんて考えたこともない。
僕は学園長に言った。
もう二度と暴力を振るわない。
どんな理不尽な暴力を振るわれても僕は手を出さない。
どんな処罰も処遇もうける。
お願いします。学園に帰らせてください。
じゃなきゃ僕は生きていけない。
ここで逃げたら前に進めない。
どうでもいいとか、大人の判断とかじゃなく僕は施設に戻りたい。戻らないといけない。
そういい今度は心から謝罪をした。

僕は施設に戻ることができたのだ。
三昧先生にはもう頭が上がらない。
僕の目標の人になった。
僕は人の為になにかできることがあるのか、どうすれば人を幸せにできるか毎日考えるようになる。
僕は大人になった今でも守り抜いていることをこの時に決めたことがある。
それは僕に関わってくれる人、近くにいる人を笑顔にすることだ。
主に芸人さんの一発ギャグとかで笑わせることが多い。
今の職場でもやってるが、うざがられているから違うやり方を探さないとと思ってる。
もうひとつは絶対恩を忘れないこと。
どんな小さいなことでも僕は絶対に忘れないという自信がある。
そして最後に嫌なとこ見るんじゃなく、良いところを見るということ。

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